4.油彩絵具「画用液編」
画用液の種類
画用液は大きく3種類に分類できます。
1. 描いている物に使用するもの専門性の高い物 (加工乾性油)
2. 完成した後に使用するもの (ワニス)
3. 絵具を洗浄したり剥がすもの (筆洗油)
乾性油
絵具にツヤを与えるオイル。空気中の酸素を取り込み酸化しながら固まります。絵具を練り合わせている油も乾性油 (主としてリンシード) です。乾性油は絵具の上に皮膜を作りツヤを与えます。
リンシード、ポピー
乾性油の役割は?
絵具に流動性を与え、絵具をキャンパスに付着させる力もあります。透明な皮膜を作り顔料を包み込んで安定させます。油絵制作ではなくてはならないものです。ただし乾性油だけで制作すると絵具の表面がはじかれてしまい、次に絵具を重ねて塗ることが難しくなります。従って原則描きはじめは揮発油を使用し下に塗った絵具よりやや乾性油を多くしながら描いていくと丈夫でもちのよい画面になっていきます。
加工乾性油
乾性油を加工して、長所を伸ばしたオイル。
サンシックンド、伝統的な方法で日光に長い間さらしたオイルは蜂蜜状で絵具に混ぜると筆のタッチを消すことが出来ます。
ボイルドリンシード、生のリンシードを空気を吹き込んで酸化されたリンシードはオイルは乾燥が早く。テレビンやシッカチフを少し混合すると効率的に絵具を乾かすことが出来ます。他に、スタンドオイル、サンブリーチドオイル、※注:各社呼び名が違います。
調合溶き油
複数の画用液乾燥促進剤を程よくブレンドされている用液です。
ペインティングオイルは、各社提供しておりセットモノの中にも組み込まれてます。初心者に最適です。
ワニス類
ワニスとは天然の樹木から採取した樹脂や合成樹脂を揮発性油で溶かした物です。絵画に永遠の艶と輝きを与えます。描画用、加筆用、保護用と主に目的に応じて用意されています。ルツーセ、パンドル、バニッシュ、
筆洗油
筆についた絵具を落とす為の専用クリーナーです。油絵具の製作中は石油系の溶剤を使用します。後片付けには水溶性のクリーナーも使用で来ます。最後に使用後はぬるま湯と固形石けんで洗い、良く乾かすと筆が長持ちします。良く水切りした筆の穂先を下につり下げて乾かすのが理想です。
水性クリーナー(非石油系で臭いがない)
水性クリーナー使用後水洗いの必要性があるので基本的に制作中には使用できません。油絵具から版画インクヨゴレにも使用できる便利なクリーナーです。