色の不思議あれこれ119 2019-01-08
「吉村芳生」展と「フィリップス・コレクション展」をハシゴした。その2
私はその足で、ステーションギャラリーの近所、三菱一号館美術館に足を伸ばした。最近では展覧会のハシゴは滅多にやらない(できない)のにそうしたのである。そうでもしなければ、気持ちが収まらなかった。
アメリカはワシントンのお金持ちのフィリップスさんが集めた近代美術の名画の展覧会。コレクションの数々からやって来た75点。私立美術館として100年の歴史がある、というだけあって見応えある作品が並んでいた。アングル、シャルダン、ドラクロア、ドーミエ、クールベ、マネ、モネ、シスレー、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、スーラ、ピカソ、ブラック、ボナール、ヴィヤール、スーチン、ココシュカ、‥‥、など。どれも見飽きることはなかった。ざっと流していたつもりが、数時間かかってしまっていて、気がついたときにはもうヘトヘトで、きっと堪能ということをしていたのだろう。もう一度見たいくらい。
あんなすごい作品たちに日常的に囲まれて、フィリップスさんはどんなに幸せだっただろう。きっと毎日新たな発見があるだろう。羨ましいなあ。あ、新年早々、人様を羨んでいてはいかにも情けない。自戒すべし。
そういえば、いつの間にかワイドショーも取り上げなくなった「紀州のドンファン」さんのお宅の壁にルノアールがかかっていたなあ。テレビカメラがさりげなく捉えていた。彼はルノアールが好きだったのだろうか? いくらくらいするんだろう? ま、そんなことはどうでもよいが、今回展示されていたフィリップスさんのコレクションにはルノアールは含まれていなかった。これもどうでもよいけど。
(2019年1月4日、東京にて)
●吉村芳生 超絶技巧を超えて
会期:2018年11月23日(金・祝)-2019年1月20日(日)
会場:東京ステーションギャラリー
●http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201811_yoshimura.html
●全員巨匠 フィリップス・コレクション展
会期:2018年10月17日(水)~2019年2月11日(月・祝)
会場:三菱一号館美術館
●https://mimt.jp/pc/
立体作家、元京都芸術大学教授の藤村克裕先生のアートについてのコラムです。
藤村克裕 プロフィール
1977年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。
1979年 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。
内外の賞を数々受賞。
元京都芸術大学教授。
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