6月28日、福井市で「藤本由紀夫展」を見た。友人からの情報で知った。会期終了一日前だった。
藤本由紀夫さんは私が勤務している学校の“同僚”だが、所属が違うのでほとんど会うことがない。昨年、私が神宮外苑の東京藝術学舎で企画した連続特別講義の折、はじめて挨拶し、すこしの間お話しできただけだ。
でもずっと、藤本さんの作品は知っていて、大阪の国立国際美術館や名古屋市美術館での個展などにも行くことができていた。いずれも、とても印象深い展覧会で、藤本さんの作品に立ち会うと、鈍麻していた感覚が呼びさまされるような気がした。
今回は、既存の段ボール箱に複数のオルゴールを取り付けて、観客がそのつまみを回して音を出せるようにしたものを作品として数点、壁と床に設置していた。オルゴールを用いる作品は藤本さんには珍しくないが、近年は、既成の箱とオルゴールとを組み合わせる試みが続いているように思う。
つづく