5月30日午後、都バスに乗って、東京・目白通り沿いの講談社野間記念館に行った。「竹内栖鳳と京都画壇」展。
そしたら、なんと、しっかり門が閉まっていた。
あれっ? まだ始まってない? (そういえばこの前、まだ開催前の「雪村」展に行ってしまった)、門の脇のポスターをみてみると、5月27日から、とあって、既に始まっているはず。
さらにポスターに目を凝らすと、月曜火曜は休館日、とあった。
あ、今日は火曜日。またやっちまった。この前、火曜日に「ミュシャ」展に行ったら休館日だった。
しょうがない、帰るか、と、椿山荘の方に向けて歩く。
と、左側に、真っ青な空を背景にギラリと光る異形の建造物。丹下健三設計の「東京カテドラル」である。行ってみるか、と思い立った。ヒマになったし。
通りを渡って、門を入り、見学させていただけますか? と尋ねると、どうぞ、と快く応じてもらえた。
金属板で覆われた大きな壁、というか、屋根というか、ともかく「ギラリ」を右にして歩き入り口に至る。
中に入ってびっくりした。外の明るさとは対照的な薄暗い大空間。コンクリート打ちっぱなしの大きな壁がねじれながら周囲に高く高く伸びて、頭の上、空中に隙間=窓ができている。
正面には広い壇、大きな十字架。その背後に最上部まで届く縦長のステンドグラスらしき窓。この窓は、午前中に光り輝くに違いない。
背後に大きなパイプオルガン。
遠慮がちに内部を移動していくと、壁が姿を次々に変化させ、頭の上の隙間=窓は十字架の形状になっていることが分かる。光の十字架。
なんだか、ロマネスクとゴシックとモダンが合体したような印象だ。内部への光を制限してこうして象徴的に用い、その結果、もたらされる暗さ。これはロマネスク。仰ぎ見るほどの「高さ」の実現ということにおいてゴシック。コンクリートや金属、ガラスといった素材での「曲芸」においてモダン。それぞれの様式の魅力が巧みに引き出されている。しかもこんなにシンプルに。
つづく→