藤村克裕雑記帳
2015-11-13
  • 色の不思議あれこれ038
  • 長新太の仕事(3)
  • 最終日の8月2日、がまんできず、も一回行ってきた。
    ハービー・ハンコックなどのCDが遺品として展示されていたことを先回は見落としていた。長さんは、仕事しながら、ジャズとかフュージョンを聴いていたのだろうか。
    それから、たとえば『ちへいせんのみえるところ』(1978年)だ。絵本になったものには、空と平原だけの見開きが、はじめ、中ごろ、おわり、と三場面ある。絵本の中のそれらを見比べると、同じ絵ではなく、なんと僅かな違いがあるようにみえた。え? 長さんは、同じ絵を使い回すのではなく、ほとんど同じ絵を別々に描いていたのではないか。ただし、会場で手に取れる絵本は観客同士の奪い合い、というか、譲り合いだった。独り占めして、このことを丁寧に確認することはかなわなかった。帰宅して、あったはずのその本を探したが行方不明。だから、いま確証があるわけではない。しかし、長さんなら、やるかもしれないな。あした、も一回探して見つからなければ、本屋に行く。
    (2015年8月2日、東京にて)

    つづく
  •  
  • [ 藤村克裕プロフィール ]
  • 1951年生まれ 帯広出身
  • 立体作家、元京都芸術大学教授の藤村克裕先生のアートについてのコラムです。
  • 1977年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。
  • 1979年 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。
  • 内外の賞を数々受賞。
  • 元京都芸術大学教授。
当サイトに掲載されている個々の情報(文字、写真、イラスト等)は編集著作権物として著作権の対象となっています。無断で複製・転載することは、法律で禁止されております。