藤村克裕雑記帳
2014-06-23
  • 色の不思議あれこれ010
  • 松本に行ってきた(1)
  •  毎年5月の末に長野県松本市で「クラフトフェアまつもと」が開催される。今年で30回目、という事だ。いまや私のような者も知る催しになった。思い切って見物に行ってきた。
    5月24日(土曜日)晴れ。朝、新宿駅で「スーパーあずさ5号」に乗り込んだ。松本までずっと満員。年配の女性たちのグループが目立つ。皆、楽しそうに喋っている。笑い声が絶えない。私は一人。
    到着した松本駅のホーム、改札口、観光案内所、いずれもごった返して、ホテルが取れない、と途方に暮れている人もいる。私はかなり早い時期に宿の手配をしたが松本ではもう無理だった。といって、温泉に泊まれる身分でもない。だから私は岡谷市の駅前のビジネスホテルをとった。
    観光案内所の人をかき分け、地図を手に入れ、フェアの会場までの行き方を尋ねると、あそこの階段を下りたところに係の人がいるのでその指示に従ってバスに乗ってください、と言う。なるほど、広場への階段下に係員らしきが複数忙しそうにしているのが確認できた。しかし、すでに、クラフトフェア目当てらしき人々が数多く通路にたむろし、バスを待っている。バスがひどく混み合うのは容易に予想できるので、私は徒歩でフェアの会場の「あがたの森公園」に向かうことに決めた。
    「あがたの森通り」を一直線に進めば、いずれ会場に着く(はずだ)。歩き始めると、私と同じ徒歩の人たちが、通りのわずかな日かげの側に列をなしているのに気付く。午前10時過ぎというのにもう日差しが強い。暑い。私も日かげの列の一員になり、歩き始めた。30分弱。
  • 到着した「あがたの森公園」は、ああ、なるほど、旧制松本高校があった場所らしい。今もいくつかの建物が保存されていて、敷地は緑豊かな公園になっている。その公園が人で埋まっているのがもう入口から見える。聞きしに勝る人気だ。それは分かった。と同時に、うんざりした。帰りたくなった。二日間で5万人も集まってくる、なんて知らなかった。今年の出店数は400とか。出店希望の1200組ほどから厳選したらしい。
  • [ 藤村克裕プロフィール ]
  • 1951年生まれ 帯広出身
  • 立体作家、元京都芸術大学教授の藤村克裕先生のアートについてのコラムです。
  • 1977年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。
  • 1979年 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。
  • 内外の賞を数々受賞。
  • 元京都芸術大学教授。
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