6月6日土曜、東京・白金台の庭園美術館で『マスク展』を見た。
旧朝香宮邸のアール・デコ様式の建築をそのまま生かした企画展の展示を意欲的に展開してきて人々に親しまれている。近年、改修し、また新館を作って、さらに多様な活動ぶりである。今回は仮面の展覧会。
仮面はパリのケ・プランリ美術館の所蔵品とのこと。アフリカをはじめとする世界各地のものが、そんなに数が多いわけでもないのに、十分すぎるくらい堪能できたのは、現物のクオリティーの高さに加えて、独特な建物の内部空間を生かしながらなされた展示・構成の巧みさの故だろう。仮面を保護するための透明なボックスが周囲の光を反射して、いささか煩わしくも感じさせられたが、これはやむを得まい。がまんできないほどではないのだから。
展示・構成の巧みさとともに感心させられたのは、ほとんどすべての仮面が裏側からも見ることができるように展示されていたことだ。なかなかお目にかかることのない配慮だと思う。その配慮ゆえ、細部まで観察できただけでなく、装着した時の感じをも想像できた。
つづく